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栗坂某の黒歴史

栗東坂路アワード2011(仮)

2012年1月20日

全国津々浦々1085人の栗東坂路ファンの皆さんこんにちは!誰も待ってないのに今年も当然のようにやってまいりました栗東坂路アワード2011。ブログを移転したり名前を変えたりしながらも5年目を迎えた当企画に対して、そろそろ馬事文化賞からお声がかかるのではないかとハラハラしておる次第であります:P そんなこんなで、お約束でありますが大人の事情で転厩馬の登坂本数を転厩先のものとしてカウントする「俺の調教服がこんなに可愛いわけがない制度」改め「調教服が軽い、こんな幸せな気持ちで登坂するなんてはじめて制度」を採用し、相も変わらず(仮)を冠してお送りいたします。

最多登坂馬

順位 馬名 本数 厩舎 性齢
1 ハードシーキング 322 西橋豊治 牡7 タバスコキャット
2 メイショウブソン 294 高橋隆 牡4 メイショウオウドウ
3 シゲルリジチョウ 286 小島貞博 牡3 グラスワンダー
4 ハートシューター 278 西浦勝一 牡5 ダンスインザダーク
5 メイショウテッペイ 273 高橋隆 牡6 ダンスインザダーク
6 キクカラブリイ 266 清水出美 牝7 マイネルラヴ
7 クレムリンシチー 264 清水出美 牡4 グラスワンダー
8 ヒルノダムール 263 昆貢 牡4 マンハッタンカフェ
9 キングコーリンオー 245 柴田政見 セ5 キングヘイロー
10 プルプル 224 高橋隆 牝5 マーベラスサンデー

社台旋風どこ吹く風。唯一の300本超で最多登坂馬部門日高産馬5連覇の襷を繋いだのはハードシーキングです!52戦を数える明け8歳馬で2009年夏の柳都Sから坂路主体に転向。昨年の桜島特別では16番人気で3着するなど不屈の精神で西橋厩舎を支えるリードホースの1頭です。単走追いが多いですが、黙々と登坂する男の背中は僚馬に多くのことを伝えていることでしょう。

実績面で目立つのは8位の我らがヒルノダムール。春の天皇賞で悲願のG1制覇を果たし、秋には勇躍フランス遠征。国内最終追い切りが坂路であったのも記憶に新しいところで、栗東坂路魂&変態型マンハッタンカフェ産駒としての矜持を彼の地で示したという点においても感慨深い遠征でありました。尚、グラスワンダー産駒が2頭ランクインしているので参考までにお伝えしますと、スペシャルウィーク産駒は103位エースインザホールまで坂登らない遡らないと浮かび上がって参りません、ご了承ください。

最多登坂種牡馬

順位 種牡馬名 本数 頭数 平均 代表登坂馬 本数
1 キングカメハメハ 11939 213 56.1 ゴールドジェーン 214
2 アグネスタキオン 9661 220 43.9 カピオラニパレス 202
3 クロフネ 8723 162 53.8 ヤマカツハクリュウ 204
4 フジキセキ 8543 172 49.7 コパノカチーノ 170
5 ディープインパクト 8243 175 47.1 ディアヴィキッド 198
6 シンボリクリスエス 7315 176 41.6 モンテクリスエス 188
7 ダンスインザダーク 6994 120 58.3 ハートシューター 278
8 ネオユニヴァース 6833 155 44.1 オールアズワン 179
9 ジャングルポケット 6351 152 41.8 フクラムサイフ 155
10 マンハッタンカフェ 6316 144 43.9 ヒルノダムール 263

最多登坂種牡馬は昨年に引き続き10000本、200頭超えを達成したキングカメハメハが連覇です!関西馬を多く抱えるアグネスタキオンが差し脚鋭く伸びてきましたが、美浦へも相応に配分しながらも213頭を確保できる産駒の多さと平均本数で12.2上回る稼働率の高さで完封する姿は正に王者の風格であります。

では2012年も磐石かといえば決してそうではありません。ラストクロップを投入し引き続き天界から超光速の鬼脚で迫るアグネスタキオンに加え、同様に関西馬の多いディープインパクトが世代の厚みを増して山岳賞へ猛アタックと大王包囲網は一層厳しいものになるでしょう。本家のリーディングサイアー以上の熱戦、激戦が予想されますが、当の大王にしてみれば「あんたらこすかー。もっと美浦に預けた方がよかっちゃなかね?(訳:君たちズルいよ!もっと美浦に預けたほうがいいんじゃないの?)」と愚痴の一つも言いたくなるに違いなく、それに乗じて美浦の調教師組合が「俺達にもディープ産駒を!」運動を展開するのではないか、というのが関係筋の読みのようです。

最多登坂厩舎

順位 厩舎 本数 頭数 平均 代表登坂馬 本数
1 音無秀孝 5533 69 80.2 メデタシ 185
2 橋口弘次郎 5257 66 79.7 リディル 193
3 西園正都 4595 72 63.8 シルポート 206
4 松田国英 4392 71 61.9 モンテクリスエス 188
5 安田隆行 4247 71 59.8 ダッシャーゴーゴー 193
6 池江泰寿 4085 74 55.2 ダノンバラード 166
7 佐々木晶三 3908 63 62.0 ダノンスパシーバ 145
8 山内研二 3905 64 61.0 ジュヴェビアン 150
9 小野幸治 3804 42 90.6 ハジメレンジャー 183
10 飯田雄三 3731 57 65.5 トーセンピングス 188

坂路小屋に神はいた!高橋成忠師、池江泰郎師の両雄が坂路を去り、次代を担う掛け算として栗東坂路界隈の期待を一心に集めていた音無秀孝師×橋口弘次郎師が満を持しての最多登坂厩舎ワンツーゲットでメデタシ!坂路小屋の漫才コンビはこれで4年連続隣り合う順位であり、今夏には薄い本の登場待ったなしです。なお、今回の受賞を記念して、橋口厩舎のスリープレスナイトでG1を制した上村洋行騎手が歌う「坂路小屋の神様」(フルコーラス48.0秒)のレコードを制作し関係者にお贈りしたいと思います。(植村違い!神様違い!長さ真逆!レコード違い!)

ちなみに1頭当たりの登坂本数の平均が最も高かったのは96.3本の清水出美厩舎(13位)、登坂頭数が最も多かったのは91頭の矢作芳人厩舎(23位)でした。頭数につきましては次点が藤原英昭厩舎、松永幹夫厩舎の76頭と余りに差があるため、現在矢作厩舎には四次元馬房兼ドラえもん蔵匿疑惑がかかっております、ご注意ください。

最少登坂厩舎

順位 厩舎 本数 頭数 平均 代表登坂馬 本数
1 大根田裕之 700 37 18.9 マサシ 81
2 浅見秀一 864 56 15.4 キンシゴールド 39
3 柴田光陽 945 45 21.0 シゲルユズ 110
4 藤沢則雄 961 46 20.6 ダイヤモンドアロー 116
5 田中章博 1094 36 30.4 カネトシディオス 128
6 大橋勇樹 1102 49 22.5 ミキノクレシェンド 97
7 崎山博樹 1150 45 25.6 クレバートウショウ 150
8 日吉正和 1417 39 36.3 ヤマニンウイスカー 211
9 牧田和弥 1456 32 45.5 ワンダーエレメント 126
10 田所秀孝 1489 53 28.1 トウカイオーロラ 107

2011年最も栗東坂路を使わなかったのは大根田裕之厩舎です!1年365日あるのにたったの700本ですよ奥さん。深夜のテレビショッピングで変なテンションのデムーロさんに「どうだいニコピン!この角度が最高なのさ!」と坂路を紹介してもらって脳裏に摺り込みたくなりますよね。そんな番組を見てしまったのか、この部門の常連にして2度の戴冠歴のある目野哲也師がまさかまさかの坂路党へ転向。前年1033本から一気に3479本まで伸ばして最多登坂厩舎部門14位と大躍進していますw 落ち込んでいた成績も回復傾向にあり、雑誌広告のビフォーアフター的存在として栗東坂路の普及活動に邁進して戴きたい所存です。

最多計時エラー馬 (1Fでもエラーのあるものを1本と集計)

順位 馬名 本数 総数 厩舎 性齢
1 アルーリングムーン 94 166 56.6 野村彰彦 牡5 タイキシャトル
2 ヒカリアスティル 85 142 59.9 谷潔 牡5 スペシャルウィーク
3 トウショウカズン 84 134 62.7 領家政蔵 牡4 クロフネ
4 フクラムサイフ 84 155 54.2 谷潔 牡3 ジャングルポケット
5 コロカムイ 80 96 83.3 目野哲也 セ3 ノボジャック
6 ワンダーアキュート 73 147 49.7 佐藤正雄 牡5 カリズマティック
7 スプリングサンダー 73 184 39.7 昆貢 牝4 クロフネ
8 ハードシーキング 72 322 22.4 西橋豊治 牡7 タバスコキャット
9 スーニ 67 104 64.4 吉田直弘 牡5 Soto
10 トーホウドルチェ 66 155 42.6 田島良保 牝6 サウスヴィグラス

2連覇中のマイプリティワンの転厩を機に読み取りの正常化を目指す私立アリス学園。「ゼッケンの裾は乱さないように、白いバーコードは翻さないように、ゆっくりと登るのがここでのたしなみ」との伝統の復活を目論むも、トップを失えば群雄割拠にして争いが激化するのが世の理。ある者は馬上で踊り狂い、ある者は尻を差し出してアリス様を欺く。そんな世紀末を想像させる戦いを勝ち抜いたのは94本にエラーを内包したアルーリングムーンです!(どんな世界観やねん) 惜しくも数では劣りますが質の面では5位コロカムイの80本(83.3%)が無駄に輝いてますね。更に率で言いますとアドマイヤシャトルが29本中29本にエラーがある完全試合を達成とやりたい放題。JRAさん早く新方式を導入してください!

最多計時エラー厩舎 (同上)

順位 種牡馬名 本数 総数 代表計不馬 本数
1 中尾秀正 517 3098 16.7 ロイヤルネックレス 61
2 安田隆行 514 4247 12.1 スイートエスケープ 43
3 角居勝彦 460 2724 16.9 レコメンド 39
4 松永昌博 452 3389 13.3 マルカベンチャー 38
5 鮫島一歩 445 3494 12.7 キングトップガン 37
6 友道康夫 428 1982 21.6 アナバティック 32
7 音無秀孝 416 5533 7.5 インペリアルマーチ 39
8 矢作芳人 394 3184 12.4 レックスパレード 30
9 西園正都 394 4595 8.6 エイシンフルハート 29
10 藤岡健一 384 2981 12.9 メイショウドナリオ 34

計時エラー厩舎界の堅軸安田隆行厩舎をハナ差捉えて中尾秀正厩舎が初戴冠。昨年の14.7%でも率的には十分高かったですけど、そこから更に2%盛るとはこのタイトルに対する並々ならぬ意気込みが感じられますねー(棒)安田隆行厩舎はこれで2位、2位、1位、2位、2位と100%連対。安田親子は栗東アリスの天敵です。天敵といえば友道康夫厩舎も相変わらず反省の色は見られず、今年はエラー率20%の大台に。ちなみに完全試合を達成したアドマイヤシャトルは貫禄の友道厩舎です。JRAさん早く新方式を(ry

最速ラップ馬

順位 馬名 タイム 区間 厩舎 性齢
1 ホーカーハリケーン 11.3 2F 加用正 牝5 ネオユニヴァース
2 カレンチャン 11.4 4F 安田隆行 牝4 クロフネ
2 ケイアイテンジン 11.4 4F 白井寿昭 牡5 アグネスデジタル
2 ケイアイテンジン 11.4 4F 白井寿昭 牡5 アグネスデジタル
5 ケイアイテンジン 11.5 4F 白井寿昭 牡5 アグネスデジタル
5 スカイノダン 11.5 4F 大久保龍志 牝5 サクラバクシンオー
5 ダッシャーゴーゴー 11.5 4F 安田隆行 牡4 サクラバクシンオー
5 ロードカナロア 11.5 4F 安田隆行 牡3 キングカメハメハ
5 ロードカナロア 11.5 4F 安田隆行 牡3 キングカメハメハ
5 ロードカナロア 11.5 4F 安田隆行 牡3 キングカメハメハ
5 インオラリオ 11.5 3F 池江泰寿 牡6 Holy Bull
5 トウカイミステリー 11.5 3F 安田隆行 牝5 キングカメハメハ
5 フェイズシフト 11.5 3F 服部利之 牝5 サクラバクシンオー
5 セフティリューオー 11.5 2F 服部利之 牡2 マリエンバード

牝馬ながらに第二次世界大戦で活躍した戦闘機の名を拝しターフを駆け巡ったホーカーハリケーンが栗東坂路に11.3という強烈な弾丸を刻み込み最速ラップ馬のタイトルを獲得です!2011年は往時程の結果は残せませんでしたが、坂路ではG1クラスの快速馬を相手に見事な勝利を収めました。最速ラップを計時した道頓堀Sの当週追いには川須栄彦騎手が騎乗しており、彼を応援する者として個人的にも記憶に残る記録です。昨年の当欄で新世代のスプリント王の期待をかけたロードカナロアはじっくりと使われて暮れには京阪杯を制覇。今年も快進撃は続きそうですね。そのロードカナロアと同じく2歳で最速ラップ馬にランクインしてきたのがセフティリューオー。2戦して結果は出ていませんがまだまだ見限れません。

最速登坂馬

順位 馬名 タイム 厩舎 性齢
1 ダッシャーゴーゴー 48.9 安田隆行 牡4 サクラバクシンオー
2 トーホウオルビス 49.2 谷潔 牡6 トーホウエンペラー
3 ケイアイガーベラ 49.4 平田修 牝5 Smarty Jones
3 レコメンド 49.4 角居勝彦 牡4 アフリート
5 エーシンヴァーゴウ 49.5 小崎憲 牝4 ファルブラヴ
5 キンショーノボス 49.5 中村均 牡5 ゴールドアリュール
7 セイクリムズン 49.7 服部利之 牡5 エイシンサンディ
7 メデタシ 49.7 音無秀孝 牝3 ディープインパクト
9 エーシンダックマン 49.8 坂口正則 牡4 サクラバクシンオー
9 エーシンホワイティ 49.8 松元茂樹 牡4 サクラバクシンオー
9 コパノカチーノ 49.8 宮徹 牡5 フジキセキ
9 トランセンド 49.8 安田隆行 牡5 ワイルドラッシュ

遥か遠くに見えし先人の幻影を追い、2011年は5962頭の競走馬が栗東坂路を駆け登りました。その頂点とも言える最速登坂馬の称号を手にしたのは短距離王国安田隆行厩舎のダッシャーゴーゴーです!高松宮記念で2度目の降着、スプリンターズSはちぐはぐな競馬、新馬戦以来のダートとなったJBCスプリントでも3着とビッグタイトルになかなか手が届きませんでしたが、栗東坂路界の最高峰には自身唯一の50秒切りで一発タッチダウンと無類の勝負強さを発揮。今期1番時計を記録した2ヶ月後に他界した父サクラバクシンオーの血を継ぐためにもその勝負強さを競馬に持ち込み、G1制覇を成し遂げて欲しいものです。

2位以下も快速馬が名を連ねていますが、ここにディープインパクト産駒の小柄な牝馬メデタシが入っているのはちょっと面白いですね。調べてみると昨年のディープインパクト栗東坂路ベスト5の内1位、4位、5位にランクイン。桜花賞4着馬でありながらその後は500万下も勝ち切れない状況ですが、距離を短縮して千二あたりを使うようなら狙ってみるのも一興かもしれません。

終わりにひと言

冒頭にも書きましたが栗東坂路アワードは今年で5年目を迎えました。特に長く続けようという意欲はないのですが、これとエイプリルフールネタを毎年書くことで自分の立ち位置を確認しているようなところがあります。自己満足の産物ではありますが、僅かばかりでも栗東坂路に詰まっているマロン……もといロマンのようなものが伝わって、坂路や調教に興味を持って戴けると嬉しく思います。今年も皆様が素敵な坂路ライフを過ごせますように。